
もうすぐ完成?
時を違(たが)える天気に、暑い暑いと漏らしていると、秋の高い空の合間に、鉛色をした冬の曇天が混ざり始めた。爽やかな季節は、跳ばされた喪失感がなくもない。せっせと12月を目指して描き足している瓦絵も、雪だるまの眼の修正、キリストや天使の顔、ぴかぴかも描き足して、主な部分が完了した。

コスモス畑
時を違えず目を楽しませてくれるのは、コスモスの花々。おそらく9月頃に種を蒔くのだろうと思うが、田んぼに低く作られたコスモスは、なかなかいい景色を作っている。春に植えたコスモスは、背が高くなり、倒れたり、この時期、花は盛りだが、少し見苦しく見える。

色づく
畑に撒く堆肥を取りに行きながら、時を違えざるものは?と探してみたら、あまり人には注目されないかも知れないが、黄色い柚が可愛らしく色づき始めている。これも、柚の秋と言えそうだ。

蘖(ひこばえ)
稲刈りを終えた田んぼに目を移すと、蘖(ひこばえ)が伸びている。短い背丈で、2度目の実りを付けて黄色く色づいている田んぼさえ見られる。これも、私以外注目をされる方は少ないかも知れないが、今の時期にふさわしい風景の1つかも知れない。

藁(わら)束
今の稲刈りは、コンバインと呼ばれる機械であっという間に刈られるが、その際、藁(わら)を細かく裁断して、田んぼに戻すことが多い。藁の束にして田んぼに立てて乾燥することがほとんどであった昔とは大きく違う。1カ所だけ、藁の束が立っている畑があった。藁ぐろを作ることもなくなったので、何かに藁を使うのであろうと思われる。この風景は、昔の時を違えざる風景かも知れない。

蕎麦(そば)の花
次に見つけたのは、蕎麦の花、これも目立たないが、年に2回収穫する2回目が今、花を付けている。ぼちぼち実になっている部分もある。これも見る人によっては、時を違えざるものの風景に見えるのだろうと思う。

遅咲きの向日葵(ひまわり)
さまよっているうちに、大きく時を違えているものを思い出した。先日、テレビで紹介されていた川上地区小越さんちの遅咲きの向日葵である。遠回りになるが、足を伸ばしてみた。見事に満開である。時を違えるものというと、殺伐とした何かを感じてしまうが、この向日葵は、鑑賞して満足が得られるので、まあ、いいか。

秋空
またまた、秋にふさわしい空を眺めながら道草ドライブから帰ってきた。時を違えるものも、違えざるものも、どちらも、「今」といくくりなら、その中に入ってしまうだろう。生きている今を楽しめるのであれば、どちらでもいいのかも知れない。