2016年09月13日

584  夜 長

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このごろの収穫

 台風がらみの雨のお陰で、乾燥に弱いナスビも、全盛期のようなみずみずしい実を付けている。色付き始めたパプリカもこれからのホープ、オクラは、オクラ好きの虫の駆除で、未だ頑張っている。これに遅植えのゴーヤも実るので、意外にこの時期頑張っているトマトハウス農園である。

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今が天下か?

 しかし、収穫篭にやって来たバッタ君枯れ草の茂みに潜むコオロギ君、秋の夜長はすぐそこまで来ている。夕暮れが早くなり、虫の声も勢いが増すだろう。

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夕暮れの月

 早めに顔を出した上弦過ぎの月も、名月に向けて着々と準備を進めているように見える。地主さんが、私のハウスにやって来て、私が作った椅子に座り、一服していることが、しばしばあった。遭遇しなくても吸い殻が落ちているし、専用の座布団が椅子の上に置いてあった。

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珍客

 秋の夜長に冬眠前の栄養補給に忙しいのか、窓には珍客がやって来る時がある。今では私は、地主さんの広い畑の4分3程を使わせていただいている。以前、トラクターで地主さんが、草退治をしておられたが、作物を植えると、草は、手で闘わなければならなくなる。小屋も進めなければならない私は、今年の草との闘いに敗れている気がする。


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修復前1

 畑のあちこちをジャングルにしながらも、地主さんが広い土地を管理されていたことを思うと、大変だっただろうと推測できる。地主さんの口癖は、「tentijin君のお陰で助かっとるよ。」という優しいお言葉だった。そんなことを思い浮かべながら、夜長の夜なべをする。雨ざらしの色が薄くなった石絵の修復だ。

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修復後1

 夜長にはふさわしい暇つぶしだろうと思う。修復と言っても、水性ペンキで描く絵の色を再現することは不可能だろうと思う。いくら混色をしても、同じと思われる色合いにはならないからだ。


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修復前2

 筆遣いも到底再現不可能だと思われる。何とか頑張って再び蘇らせようと努力はするが、結果は、似て否なるものにしかならず、結局、「まあ、いいか。」で終わるのが落ちだ。


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修復後2

 写真に撮って修正前後を見比べてみるのに、どう見ても、以前の方が良いように思えて仕方がない。取り組む心の真ん中辺りが、ひょっとしたら違うのかも知れない。ある朝、突然訃報が舞い込んだ。結局、股間の血管に点滴をしておられたらしい入院中の地主さんが、お亡くなりになった。お顔を見ることなく、この報に接し、すこぶる残念であった。
posted by tentijin at 08:24| 愛媛 ☀| Comment(4) | 随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 夕暮れの月、それを上目遣いに見ているような猫ちゃん、地主さんの訃報を悲しんでいるように思えます。
 私の地主さんご夫婦も今年が初盆でした。たま〜に私が畑に出ていると「おっ、Mちゃん、明日は雨やないか〜」と優しく声をかけてもらったものです。「tentijin君のお陰で助かっとるよ。」の言葉、これらで、私たちはお借りした畑を大事に使わせて貰おう、頑張るか〜って気になるように思います。
 ナス、綺麗な色です。
Posted by 吉野の食いしんぼう at 2016年09月13日 20:31
吉野の食いしんぼう様
 写真もそうですが、絵も、どんなに似せて描こうと思っても、結局は、描いた人の意思とは違ったり、勝手に似ていたりする新たな世界になるもののようです。私にとっては、人間的に味のある愛すべき方だった地主さんなので、本当に残念です。
Posted by tentijin at 2016年09月13日 21:32
雨の夜、暇つぶしにしては芸術家ですね。少しも妥協しない。しかし、修復前の方が良かったという最後の落ちは、思わず「にやり」としました。同じような経験が誰もあると思います。
地主さん、残念でしたね。ご冥福をお祈り致します。昨日は突然の訪問<(_ _)>
Posted by 鬼城 at 2016年09月14日 09:40
鬼城様
 龍馬好き、明治という時代好きという情報を知っていただいての訪問、ありがとうございました。楽しみに見させていただきます。ところで、彼岸花は、見ることができましたか。三島に彼岸花のメッカともいえる場所があります。そこは他よりも少し遅く咲きます。ご希望ならご案内しますよ。
Posted by tentijin at 2016年09月14日 09:58
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