2018年10月19日

782 グ ッ ド バ イ 1

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秋の雲

 あの地獄のような暑さは影をひそめ、秋らしい雲が空に現れる日が多くなってきた。もう台風も来なくなり、風の国も穏やかな秋の陽に包まれている。風の国の家の上には、お母さんが野菜を作っている畑がいくつかある。私も時々出かけて、野菜をいただいたり、草引きのお手伝いをする。

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畑からの港

 その畑のうち下にある家の上の畑からは、地区の港や波止(はと)がよく見える。お母さんがお元気な頃は、畑までの道もきれいに草が引かれていたが、この最近は、名残の夏草に覆われていることが多くなってきた。

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久しぶりの獲物

 ある日、お手伝いの合間に、夕方、釣りに出かけてみた。なかなか釣れない場所が多い中で、昔ながらの場所に行き、竿を出してみたら、ぜんごアジや大ぶりのアジなどが釣れた。短い時間なので、数は多くないが、夕飯のおかずにはなった。

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草に覆われた小道

 畑に通じる小道が、あまりにも草に覆われているので、翌日の朝、この道の草引きをしようと、鎌を手に出かけた。下の畑から更に上がると、上の畑に通じている。大まかな草の処理ではあるが、鎌で草を刈ったり手で引いたりして、道が見えるように頑張った。


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草引きを終えた小道

 下の畑の道も、草だらけであったので、同じように草引きをして、道が見えるようになった。お母さんがこの道を通るとしたら、あまりにも危険な状態だったので、これで少しでも、お母さんの野菜作りに貢献できたかも知れない。

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削った石段1

 家から下の畑までは、30mほどの坂道の小道である。坂の急な場所もあるので、そんな場所には、石段が作られている。その石段も、泥が流れてきて、ただの坂道になってしまっていたので、泥を削り、元の石段になるように頑張った。

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削った石段2

 足を乗せることができる石段が復活すれば、ゆっくり這うように歩いて行くお母さんの安全も少しは確保されるだろう。足も腰も痛いお母さんだが、動かなくなったら本当に歩けなくなると、いつも言っておられるので、少しでも長く、好きな野菜作りが楽しめるように、これからも貢献していきたい。


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遠くの夏雲

 海の向こうには、まだ、夏ぽい雲も並んでいる。帰り際、我々の忘れ物を届けに、岡の川の車回し場まで、お父さんがその忘れ物を届けてくれた。私も軽トラのカギを返し忘れていたので、お父さんに返す。相棒が「バイバイ!」と、いつになくおどけた物言いで、お父さんに別れを告げた。これがその日のグッドバイの場面であった。
posted by tentijin at 13:00| 愛媛 ☀| Comment(4) | 随想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 娘婿さんの優しさを噛みしめながら一歩一歩足を運ばれるお母さんの姿が見えてきます。
 ぜんごを釣り懐かしい!
 この様な場面が見られるなら、忘れ物も又、楽しく良い物ですね。
 心が温かくなりました。
Posted by 吉野の食いしんぼう at 2018年10月19日 22:07
吉野の食いしんぼう様
 別々に暮らしているので、全てのことに貢献することはできないと思いますが、週1で行った時に我々にできる貢献であれば、お役に立てるかなと思います。ぜんごも昔のようには釣れなくなった気がします。老化現象でしょうか、忘れ物も多くなってきています。
Posted by tentijin at 2018年10月20日 22:36
優しさあふれる作業内容ですね。しかし、その労力は半端ではない。素晴らしいの一言です。人が住まなくなったら草に覆われ、道も分からなくなり・・・これが現実でしょう。素晴らしい親孝行です。ご褒美のアジ、ゼンゴも・・・(笑い)
Posted by 鬼城 at 2018年10月21日 08:58
鬼城様
 この地区も高齢化が進み、あちこちに空き家が増え、歩かなくなった道も増えているのだと思います。不便な場所なので、もう帰って来なくなったお家の方も多いとも聞いています。少しの時間でも、踏みとどまりたいものです。
Posted by tentijin at 2018年10月22日 08:18
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