
昼の海
巳午の夜は、少し飲み過ぎた私だったが、みんなで賑やかに正月をしていただき、おそらくお父さんも、にこにこと眺めておられたのではないかと、感じた。晴れ男だったお父さんなので、お墓に上がる翌朝も、小春日和の良い天気であった。

ムラサキツユクサ
お父さんが、家の地下倉庫に置いているスーパーカブにまたがり、岡の川まで下っていった坂道の石垣には、ムラサキツユクサが、その命の力を発揮して大きな株に発展している。私たちも、お父さんの生命力を一杯に受け継ぎ、パワーアップして生きていけるといいなと、坂道を下りながら思う。

薄い鏡餅
巳午餅は、地区のお世話になった方や親戚に配られ、遠方で暮らす親戚方には、送られて、共に偲びつつ、正月を祝う。翌日の墓参り用に薄いお餅も届いているので、それに切れ目を入れて、お墓に上がる。お墓に着くと、その餅を子供がちぎる習わしらしく、我々もちぎるお手伝いをした。墓参りに上がった方々が、それを更に小さくちぎって、それぞれのお墓全てに供える。余った餅は、それぞれがかじって正月の味わいとする。

風呂の焚き物入れ
様々な仏事が進行して、後は49日だけとなっている。力仕事担当のお父さんがいなくなり、お風呂を焚く係も、お父さんからお母さんに移行するほかない。地下倉庫から重い薪が入ったキャリーを持ち上げることは、足腰が限界にきているお母さんには難しい。息子が同居しているので、頼まれたら、力になるよう話している。しかし夜勤の多い息子にも限界がある。私も、週末のお手伝いでは、気を配るようにしている。近所のS君が、そのことを心配してくれて何度も風呂用の焚き物を届けて上に上げてくれていた。本当にありがたい。

野路菊
49日が近づくにつれ、あまりにも月日の流れが速く、驚いてしまう。風の国の石垣には、もうあちこち野路菊が咲き始め、ツワブキの花は、終わりかけている。

花盛り
この野路菊は、風の国の皆さんには、なじみの花だが、あの頃に咲いていたというのも、また、いい思い出の1つになりそうな気がする。蜜柑山のそこここにも、この野路菊は咲いており、お父さんの活躍した場所と自然に結び付くので、また、印象に深い。

ザクロ
お父さんが、毎日、がんばって焚いていた風呂の焚き口の前には、ザクロの木が生えている。子供の頃には、大変珍しい果物なので、どこかのお家になっているのを見つけると、食べてみたい気持ちを抑えきれないでいた。今でもその頃をひきずっているのか、食べたくなってしまう。しかし、いざ食べてみると、魅力的に甘酸っぱいのだが、そんなに美味しいものではないのかもしれないと、感じたりもする。しかし、それでも、食べると元気をもらえるような気もするから、不思議だ。これもまた、いい思い出になっていくかもしれない。
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やっくんも風の国で頑張っておられるのですね。おばあちゃんも頼りがいを感じられるでしょう。
世の中、永代供養にする方が増えている気がします。遺骨も海に散骨したり、お墓そのものもなくなっていく傾向があるのかも知れませんね。お母さんの心の喪失感は、誰も癒やしがたく、時の流れだけが、少しずつ癒やしてくれると思います。我々もできるお手伝いはしていきたいと思います。
野路菊、いいですよね。息子は、そばにいるだけで、帰っても、恐らく寝てばかりなので、お世話になるばかりだと思います。最終的には、お世話をする人間がいるだけいいか、と開き直って考えています。